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ギャザホーム         建築家紹介

(株)アルキテクタ代表
黒岩 哲彦

  ごあいさつ
 建物の内装仕上げ材や、断熱などの一部の仕組みを考慮するだけでは、本当の心地よさは得られません。環境を総合的にとらえてゆくことが大切なのです。しかも気候異変や石油の高騰などという現実は、地球環境の改善待ったなしの状況を示しています。
にもかかわらず、高気密にして機械で空調し、省エネ機器を使用しているというふれこみにより、大量の供給電力に依存し、家の外へ廃熱する考え方の住宅が横行していますので、「そのような建物が本当に快適なのだろうか」「そのような仕組みが、本当に地球環境の改善につながるのだろうか」という疑問がわいてきて当然です。眠っていた自然への感謝のセンスが呼びさまされ、住まいづくりの際に「身の回りの自然の恵みを活用してゆこう」と望まれる方が急速に増え、そうした多くの方々との出会いによって、私たちの現在があります。
 「エクセルギー」は武蔵工大の宿谷昌則先生、東海大学の高橋達先生をはじめとする方々が提唱し、世界中で注目されている物理学上の理論です。 それは、私たちが気づき始めた疑問に対応し、環境・生活・資源・技術を今までと異なる視点で結びつけてくれます。この理論の周辺で多様に展開されている様々な分野の方々の参加を得て、本来あるべき住まいをともに考え、化石燃料から脱却する暮らしを「一緒に考え、身近なところで一歩一歩実現してゆきましょう」という地道な積み上げが、私たちの日常です。それを私たちは「環境を救う建築」と言っています。
 たとえば、私たちが家を建てるところの大半はもともと森でした。森は雨を蒸発させる重要な役割を担っていました。その役割を建物が立つことによって奪ってしまったのです。もし地球が蒸発という回路を失ってしまったら地球の平均表面温度は現在の15度から29度まで上がってしまうということが宿谷先生により示されています。このことは、規模については飛躍している事例ですが、蒸発が冷却のシステムとして極めて重要なことを示しています。そこで、私たちは新たに作る建物に、降ってきた雨を森が蒸発させていた分だけ、同じように蒸発させる工夫を施したりします。それに何の意味があるかというと、蒸発冷却により、エアコン等の機械や供給電力に一切頼らず、夏の涼しさ得ることができるからです。今まで振り向きもしなった、身近な、どこにいても得られる「雨の蒸発」など様々な活用可能なものを、私たちは「身近な資源性(エクセルギー)」として大切にしています。

 

<プロフィール>Akihiko Kuroiwa
日本建築学会熱環境小委員会、同水環境小委員会委員 東京建築賞、
リビングデザイン賞、商環境デザイン賞、大地に還る住宅優秀賞他受賞。

作品:「オーベルジュドノームの森」「カフェレストラン・雲場亭」「エクセルギーハウスシリーズ」「エクセルギータウン」他
著書:「世界のベストホテル50」(共著:TOTO出版) 「雨の建築学」(日本建築学会編:北斗出版)「雨の建築術」(日本建築学会編:北斗出版)

 

 


 
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